歯石除去のメリット・デメリットとは?
歯垢が石のように硬くなった「歯石」は、歯ブラシによるブラッシングで取り除くことはできません。歯石はむし歯や歯周病、口臭の原因にもなるため、できるだけため込まないことが大切です。そんな歯石は、スケーリング(歯石除去)を受けることで取り除けますが、この処置に伴うデメリットを心配されている方も多いようです。ここでは、歯石がたまる理由や放置するリスク、歯石除去のメリットとデメリットについてわかりやすく解説します。
歯石がたまる理由と放置するリスク
歯石は、歯垢が石灰化したものです。唾液に含まれるリン酸やカルシウムが歯垢に作用し、石のように硬く変化させます。そのため、磨き残しが多い人や口腔ケアが不十分な人は要注意です。歯石は細菌の温床となる物質で、むし歯菌や歯周病菌を増殖させるだけでなく、口臭の発生にもつながります。
歯石除去のメリット
歯科医院で歯石除去を受けると、以下に挙げるようなメリットが得られます。
☑むし歯・歯周病のリスクが下がる
☑口臭の改善につながる
☑歯周病の症状が改善する
むし歯・歯周病のリスクが下がる
歯石を除去すると、むし歯菌や歯周病菌が繁殖・活動する場を奪うことができます。その結果、むし歯や歯周病のリスクも低下します。
口臭の改善につながる
歯石を放置すると、以下の3つの理由から口臭が発生します。
☑歯周病菌がガスを産生する
☑歯茎の炎症で膿がたまる
☑歯茎から出血して臭いが生じる
この中でもとくに歯周病菌が産生する「メチルメルカプタン」には要注意です。腐った玉ねぎのような臭いを発生させることから、口臭の原因となりやすいです。歯石を取り除けば、これらのリスクを抑えることができます。
歯周病の症状が改善する
もうすでに歯周病にかかっている人は、歯石除去によってその症状を改善できます。実際、歯周病治療には、スケーリング・ルートプレーニングと呼ばれる歯石除去が組み込まれています。
歯石除去にデメリットはある?
そもそも歯石は、病気の原因となる物質であるため、除去することにデメリット存在していません。本来あるべきものではないので、取り除くに越したことはありません。ただし、歯石除去後には一時的な知覚過敏が生じることがあります。しばらくは、極端に冷たいものや熱いものを口にするのを避けましょう。知覚過敏の症状は、時間の経過とともに治まっていきます。
また、歯石除去に伴って歯茎が傷つくこともあります。歯石除去では、スケーラーと呼ばれる鋭い器具を用いることから、歯茎の状態によっては、ダメージを受けざるを得ないこともあるのです。そうしたリスクは、ていねいな処置を心がけることで最小限に抑えられます。
歯石除去の種類について
歯科医院での歯石除去は、以下の3つの方法で行われます。
☑スケーリング
☑ルートプレーニング
☑フラップ手術
スケーリングとは、歯の頭の部分である歯冠部の歯石を除去する方法です。最も一般的な歯石除去法といえます。ルートプレーニングは、歯根面に形成された歯石を除去する方法です。歯周ポケットの奥深くまでスケーラーを挿入することから、ディープスケーリングと呼ばれることもあります。3つ目のフラップ手術は、歯周外科治療の一種です。ルートプレーニングでは対応できないほど、深い歯周ポケットが形成されたケースに適応されます。歯茎をメスで切開して歯根面を露出させた上で、歯石を取り除きます。歯石除去が完了したら、歯茎を縫合して終了します。
まとめ
このように、歯石除去にはたくさんのメリットがありますので、定期的に受けることをおすすめします。施術後の知覚過敏や出血などが怖いという方は、お気軽に当院までご相談ください。患者さまの心身への負担が可能な限り小さくなるような施術を心がけます。
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2017/12/01医院情報