歯磨き粉は使うべき?電動歯ブラシの正しい使い方を解説
最近では、電動歯ブラシの使用を推奨する歯科医師も増えてきています。これは電動歯ブラシの性能が向上し、使い方によっては通常の歯ブラシよりも歯面の汚れを効率的に落とすことも可能だからです。ここではそんな電動歯ブラシによる正しいブラッシング方法を詳しく解説します。
1.電動歯ブラシの正しい操作方法
電動歯ブラシは、その名の通り電気で動くことから、通常の歯ブラシとは「持ち方」と「磨き方」が基本的に異なります。
1-1 電動歯ブラシの持ち方
電動歯ブラシの持ち方は、「パームグリップ」が基本となります。手のひら全体で電動歯ブラシの柄の部分を握ります。重たいタイプの電動歯ブラシは、この持ち方が最適です。小型で軽い電動歯ブラシであれば、通常の歯ブラシ同様「ペングリップ」で把持すると、細かく操作しやすくなります。
1-2 電動歯ブラシでの磨き方
電動歯ブラシは、細かく上下左右に動かす必要はありません。基本的には磨きた部位に毛先を当て、スライドさせていくようなイメージで磨きましょう。
◎歯の表面
歯の表面のような平らな部位は、毛先を垂直に当てるのが基本です。この時、歯面に押し込み過ぎないように注意しましょう。
◎歯と歯茎の境目
歯と歯茎の境目は、毛先を45度に傾けて磨きましょう。専門的にはバス法と呼ばれるもので、毛先が歯と歯茎の境目に入りやすくなり、効率的に汚れを除去できます。
◎噛み合わせの面
噛み合わせの面も、歯の表面の一部といえますので、毛先を垂直に当ててブラッシングしてください。ただ、大小さまざまな凹凸が存在していることから、その形態を意識して電動歯ブラシを当てることが大切です。
◎前歯の裏側
前歯の裏側は、ヘッドを縦にして使用しましょう。毛先は歯面に対して垂直に当てます。
◎矯正治療中の歯
ワイヤー矯正では、歯面にブラケットと呼ばれるパーツが設置されており、極めて歯磨きしにくい状態となっています。電動歯ブラシを上手に操作すれば、効率良く汚れを落とすことができますが、歯とブラケットの間に無理やり押し込むようなことをすると、装置の破損につながるため注意が必要です。基本的には、ヘッドと歯を並行にして当てると良いといえます。
2.電動歯ブラシでの歯磨き粉の使い方と選び方について
2-1 歯磨き粉は使わなくても良い
電動歯ブラシは、何もつけずとも効率的にブラッシングできるため、基本的に歯磨き粉は不要といえます。ただし、メーカーによっては歯磨き粉の使用を推奨している場合もあります。また、歯磨き粉に含まれる有効成分を活用したい方は、電動歯ブラシと歯磨き粉を併用しても良いといえます。その際は、以下に挙げる点にご注意ください。
2-2 歯磨き粉の適切な使用量
電動歯ブラシでは、「米粒大から小指の爪程度」の量の歯磨き粉を使用しましょう。あまり多すぎても、歯に対する悪影響が大きくなってしまうからです。
2-2 歯磨き粉の正しい選び方
電動歯ブラシで使用する歯磨き粉は、研磨剤と発泡剤が含まれていないものを選ぶと良いです。これらの成分は、歯の表面を傷つけるおそれがあったり、発泡作用によってブラッシングしにくくなったりするため注意が必要です。
3.電動歯ブラシに適した歯磨き粉とは
電動歯ブラシに使用する歯磨き粉は、細かい振動が加わっても飛び散りにくい「ジェルタイプ」のものがおすすめです。上述したように「研磨剤」「発泡剤」が含まれていない、あるいは含有量が少ないことも重要な条件です。それぞれのメーカーが推奨している歯磨き粉があれば、そちらを使用するのも良いといえます。
4.電動歯ブラシの種類とそれぞれの特徴について
電動歯ブラシには、いろいろな種類があります。それぞれのタイプによって、形態や使える機能なども大きく異なります。
4-1 音波・超音波歯ブラシ
音波や超音波によって水流を作り出し、プラークを除去するタイプの電動歯ブラシです。歯科医院で受ける歯のクリーニングやスケーリングでも活用する機会が多い技術で、汚れを落とす効果は、手磨きの7~10倍にもなります。
4-2 回転する丸型タイプのブラシ
ヘッドの部分が丸型であるため、歯の形状に合わせて磨きやすいです。汚れをしっかりと落としたい人におすすめのタイプといえます。
4-3 スマホ連動タイプの電動歯ブラシ
Bluetoothを使ってスマホと連動するタイプのスマート電動歯ブラシも市販されています。ブラシを動かす幅やブラッシング圧、磨き残した部位などをデータとして取り込んで、スマホのアプリで確認することができます。歯磨きがどれくらい向上したかなどを確認できることから、オーラルケアのモチベーションアップにもつながります。
5.ヘッドの交換時期と価格について
電動歯ブラシのヘッドは、3~4ヶ月ごとに交換するのが一般的です。3~4ヶ月経っていなくても、毛先が広がってしまっている場合はすぐに交換しましょう。状態の悪いヘッドを使用すると、ブラッシングの効果が大きく減少します。ただし、あまりにも短期間で毛先が広がってしまう場合は、ブラッシング圧が強すぎる可能性があるため注意が必要です。ちなみに、ヘッドの価格は1本数百円~1000円程度となっています。
6.まとめ
このように、電動歯ブラシを正しく使うには、いろいろな点に配慮する必要があります。使い方を誤ると、汚れが落とす効率が下がるだけではなく、歯を傷つけてしまうことがあるため要注意です。電動歯ブラシを使用することに不安がある方は、一度、歯科医院に相談すると良いかと思います。
-
2017/12/01医院情報