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口臭の対策法を原因別に紹介

口臭というのは、一度気になり始めると、なかなか頭から離れないものですよね。人と接する時は相手との距離に気を付けたり、話す時には口元を押さえたりするなど、周りの人に迷惑をかけないよう、たくさんの苦労をされている人も少なくないかと思います。そんな口臭には必ず原因があり、それぞれに有効な治療法なり改善法が存在しています。ここではそんな口臭の原因や対策法について詳しくご紹介します。

  • 口臭の対策法を原因別に紹介

 

1. 治療の必要がない口臭

お口の臭いには、治療の必要がないものも多々あります。普段の生活の中で生じる口臭で、その原因は食事やストレス、ダイエットなどが大半を占めます。

 

1-1 ニオイの強い食べ物

ネギやニンニクなど、それ自体が強いニオイを放っている食品は、摂取した後に口臭をきつくすることがあります。これは皆さんも経験上わかっていることかと思います。

 

【対策】

最も有効な対策は、ニオイの強い食べ物を摂取しないことです。食べてしまった場合は、歯磨きやうがい、ガムを噛むなどして症状を改善しましょう。

 

1-2 緊張やストレス

日々生活していく中で、強い緊張やストレスを受けることがあるかと思います。そんな時、私たちの体は交感神経が優位となり、唾液の分泌が低下します。その結果、口腔内が乾燥して口臭を強めることとなるのです。

 

【対策】

水分を補給することで、口腔内の乾燥を改善しましょう。ガムを噛むことで唾液の分泌を促進するのも対策のひとつです。

 

1-3 朝目覚めたとき

就寝中は、唾液の分泌が低下し、口腔内の細菌繁殖が促進されています。これはすべての人で起こる生理的口臭の代表です。

 

【対策】

就寝前にしっかりと歯磨きをすることで、起床時の口臭を抑えることができます。起床後、口臭が気になる時は、すぐにうがいや歯磨きをしましょう。

 

1-4 ダイエット

糖質を制限するなどのダイエットを行っていると、口臭が強くなることがあります。一般的には「ダイエット臭」、専門的には「ケトン臭」と呼ばれるものですね。これは糖質をエネルギー源にできないことから、脂肪が優先的に燃焼されることで生じる臭いです。

 

【対策】

ケトン臭が気になる場合は、ダイエットを中止することをおすすめします。食事の摂取量を元に戻すことで、ダイエットによる口臭も徐々に改善されます。ちなみにケトン臭は、体の代謝によって産生されるものであるため、ガムを噛むなどの対策では改善できないことが多いです。

 

1-5 舌苔(ぜったい)

舌の表面に形成された白い苔(こけ)のような物質を舌苔といいます。舌苔はプラークとほぼ同じ成分であるため、細菌の活動も活発です。虫歯や歯周病と同じように、ニオイの元となる物質を細菌が産生します。

 

【対策】

舌苔を取り除くことが有効な改善法です。その際、普段使っている歯ブラシを用いるのではなく、「舌ブラシ」という専用の清掃器具を活用しましょう。舌の表面を傷つけることなく、舌苔を除去することが可能です。ちなみに、舌苔は健康な人にも存在しているため、適度に除去する程度が望ましいといえます。

 

 

2. 歯科での治療が必要となる口臭

お口の中の異常が原因で生じる口臭は、基本的に歯科医院での治療が必要となります。以下に挙げるような症状が認められる場合は、すぐに歯科を受診しましょう。

 

2-1 歯周病

歯周病は、「メチルメルカプタン」と呼ばれるニオイのきついガスを産生します。これが口臭の原因となります。

 

【対策】

歯周病治療を受けることが最も有効な対策です。それに加えて、日々のセルフケアを徹底することも大切です。歯垢や歯石が歯周病菌の温床となるからです。

 

2-2 虫歯

進行した虫歯では、歯の表面に穴が開き、そこへ食べかすなどが蓄積します。それらを虫歯菌が分解する過程で、ニオイの元となる物質を産生するのです。

 

【対策】

虫歯の治療を受けることが最も有効な対策です。虫歯によって生じた穴は、自然に塞がることはありませんので、歯科医院で修復処置を受ける必要があります。もちろん、口腔ケアを徹底することも重要です。

 

2-3 ドライマウス

お口の中が過度に乾燥していると、口腔内細菌が繁殖しやすくなります。その原因が上述したような生理的なものではなく、何らかの異常に起因している場合は歯科での治療が必要となります。

 

【対策】

まずはドライマウスの原因をつきとめましょう。お口の中には、口腔乾燥を引き起こすことがある病気が多々存在しています。応急処置としては、小まめに水分補給を行ったり、ガムを噛んで唾液分泌を促したりすることが有効です。

 

3. 医科での治療が必要となる口臭

口臭の中には、その原因がお口ではなく全身疾患に由来していることもあります。以下に挙げるような病気には要注意です。

 

3-1 口臭の悪化を伴うことがある全身の病気

 

▼糖尿病

糖尿病では、過度なダイエットの際に生じるケトン臭が発生することがあります。糖尿病治療を受けて、血糖値をしっかりコントロールすることが大切です。

 

▼腎臓の病気

腎臓に何らかの病気があると、「尿毒症(にょうどくしょう)」と呼ばれる症状が現れることがあります。お口からはアンモニア臭が漂うようになります。

 

▼耳鼻咽喉系の病気

蓄膿症や咽頭炎など、鼻腔や口腔に膿が溜まるような病気でも、口臭が発生することがあります。

 

▼呼吸器系の病気

肺や気管といった呼吸器系に病気があると、お口から壊疽臭(えそしゅう)がすることがあります。壊疽臭とは、肉が腐ったような臭いです。

 

【対策】

いずれの病気も医科で適切な治療を受ける必要があります。口臭はあくまでひとつの症状でしかありません。根本的な原因となっている全身疾患を治すことを優先しましょう。

 

3-2 消化器の機能低下

食道や胃、腸といった消化管に病気があると、口臭を招きやすくなります。消化管は食べ物を消化する場であり、さまざまなガスや臭いの物質を産生しやすい傾向にあるからです。

 

【対策】

消化器系の医療機関で適切な治療を受けましょう。口腔ケアでは口臭を取り除くことが難しいです。

 

3-3 便秘も口臭の原因になる?

便秘というのは、必ずしも医科での治療が必要となる病気ではありませんが、口臭の原因となることもあります。食べ物が長期にわたって消化管内に留まるためです。消化管の異常と同様、悪臭を放つガスが産生され、口腔から排出されることがあります。

 

【対策】

便秘にならないような生活習慣を身に付けましょう。食物繊維の多い食品を摂取したり、乳酸菌によって腸内環境を整えたりすることは有効です。また、生活の中に適度な運動を取り入れ、十分な睡眠時間を確保することで、便秘になりにくい環境を整えることができます。

 

4. まとめ

このように、口臭にはいろいろな原因が存在しており、対策法もさまざまです。それだけに、今現在口臭に悩まされている方は、自分の口臭が何に由来しているのかを知ることが対策の第一歩となります。必要に応じて、歯科や医科の力を借りながら、口臭対策に努めていきましょう。