親知らず!抜いたほうがいいの?抜かなくてもいいの?詳しく解説!
親知らずは「いつかは抜くもの」というイメージをお持ちの方が多いかと思います。確かに今現在、親知らずに痛みなどの異常が生じていたら、抜歯する可能性が高いです。もしくは、何ら症状が見られなくても、将来的にトラブルを引き起こしそうな親知らずにも、抜歯が適応されることがあります。それだけに、「親知らず=抜歯」という固定観念が広がってもおかしくはないですよね。けれども実際は、抜かなくてもいい親知らずもあるのです。
◎親知らずってどんな歯?
親知らずは、前歯や犬歯、大臼歯と比べると、なんだか特殊な名前がついていますよね。専門的には、第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)という名前があり、臼歯(奥歯)の一種であることに間違いはないのですが、生えてくる時期や生え方に特徴があります。
・最後に生えてくる歯
親知らずが生えてくるのは、一般的に20歳前後です。第一大臼歯が生えてくるのが6歳前後ですので、かなり遅くに生えてくるということがわかるかと思います。もちろん、その頃には永久歯列が完成していますので、最後に生えてくる歯が親知らずなのです。
・生え方が異常なことが多い
もうすでに歯列が完成していると、最後に生えてくる親知らずのスペースは、どうしても不足しがちです。その結果、半分だけ埋まっていたり、斜めに生えたりするのです。場合によっては、全くスペースが存在しないため、いつまでも歯茎の中に埋まっていることもあります。このように、親知らずは異常な生え方をすることが多い歯といえます。
親知らずには、こうした特徴があるため、お口の中で悪さをしやすく、抜歯が適応されやすい傾向にあるのです。
◎抜いた方がいい親知らずとは
次に挙げるような症状が見られる親知らずは、抜いた方がいいといえます。
・親知らずが虫歯になっている
・横の歯を圧迫して悪影響を与えている
・生え方が異常で清掃性が悪く、不潔になりやすい
斜めに生えていたり、真横に向いていたりする親知らずは、隣の歯の歯根を吸収するなど、周囲組織への悪影響が大きいことがあります。また、ブラッシングしにくく、汚れがたまりやすい傾向にあるため、虫歯のリスクが高いです。普通の歯であれば、虫歯を削って詰め物や被せ物を装着するのですが、親知らずはまたすぐ虫歯が再発することが多く、抜歯がベストな選択であることも珍しくありません。
◎抜かなくてもいい親知らずとは
親知らずもかけがえのない天然歯の1つですので、できれば抜かずに残したいものです。そこで、以下に挙げるようなケースでは、親知らずを保存することが多いといえます。
・真っすぐ正常に生えていて、かみ合わせに参加している
・歯列矯正で正しい位置に移動できる
・将来的にブリッジの支台歯として活用できる
◎親知らずの抜歯で小顔になる?
親知らずを抜くことで、「小顔効果が期待できる」という話を耳にしたことがあるかもしれませんが、実際はそれほど大きな効果は期待できません。確かに、大臼歯を4本抜歯すれば、顔の輪郭も変わりそうなものですが、劇的な変化は認められないことが多いとお考えください。親知らずがなくなることで、歯列全体のかみ合わせに変化が生じ、筋肉の発達度合いが変わることがあります。その結果、顔の輪郭にも変化が認められることもあります。
◎抜歯後の痛みや腫れはどのくらい続くの?
抜歯というのは、抜歯鉗子(ばっしかんし)と呼ばれるペンチのような器具で、歯を強引に抜き取る行為なので、ちょっとしたケガを負った状態に近いといえます。ですから、抜歯後には、顎が腫れたり、痛みを感じたりすることもあります。症状は、2~3日程度で治まることもあれば、1週間程度続くこともあります。どれくらい腫れるかも個人差が大きいので、一概にはいえません。痛みに関しては、鎮痛剤などが処方されますので、それほど心配する必要はないかと思います。
◎抜歯後の食事について
抜歯をしてから数日間は、軟らかいものだけ食べるようにしましょう。抜歯をした部分で噛んでしまうと、傷跡が治りにくくなります。事前に、スープやおかゆなどを用意しておくと良いといえます。
◎まとめ
このように親知らずは、必ずしも抜歯をしなければならない歯ではありません。残せるのであれば、残した方が良いといえます。
ご自身の親知らずの状態が気になるという方は、お気軽に当院までご相談ください。
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2017/12/01医院情報