【歯周病と口臭の関係】原因や予防方法を解説
「最近、口臭が強くなったかも」と感じたら、歯周病が原因かもしれません。口臭にはいろいろな種類がありますが、病的な口臭の原因は、歯周病であることがほとんどです。ここではそんな歯周病と口臭の関係について、予防法も含めて解説します。
◆口臭の種類
口臭は主に、「生理的口臭」と「病的口臭」、それから「仮性口臭」の3つに分けることができます。
◎生理的口臭
誰にでもある口臭で、起床時や強いストレスを感じた時など、お口が乾いた際に発生します。ニオイのきつい食品を食べることによっても強まります。
◎病的口臭
病的口臭は、文字通りその背景に何らかの病気があります。お口の中であれば虫歯や歯周病、口腔カンジダ症などが挙げられます。消化器系の病気など、全身由来の口臭もありますが、大半は口腔由来です。しかも、口腔由来の中でも歯周病が最も多いです。
◎仮性口臭
実際は臭くないのだけれど、本人は臭いと思い込んでいる口臭です。心理的な要素が強い口臭といえます。
◆なぜ歯周病で口臭がきつくなるのか?
歯周病は、歯ぐきや歯槽骨に炎症が生じる病気です。歯ぐきが赤く腫れ、ブラッシング時に出血するのが主な自覚症状ですよね。そんな歯周病がなぜ口臭の原因になるのか、気になることかと思います。
◎歯周病菌がニオイの物質を作り出す
歯周病菌は、お口の中の食べかすなどをエサに、生命活動を営んでいます。その過程で「メチルメルカプタン」と呼ばれる揮発性のガスを産生するのです。これが歯周病による口臭の原因です。腐った玉ねぎのようなニオイを発します。
◎歯周ポケット内の腐敗物質
歯周病が進行すると、歯周ポケットが深くなります。空気の届かない歯周ポケット内は、嫌気性細菌である歯周病菌にとっては、繁殖する上で最高の場所です。そんな歯周病菌を攻撃するために、血管から血液やタンパク質がしみ出てくるのですが、これらが膿となり、腐敗して強烈なニオイを発するようになります。
◆歯周病による口臭をセルフケアで予防
歯周病による口臭は、歯周病そのものを改善しなければなくなりません。そこで重要なのが毎日の歯磨きです。さらに歯周病に効く歯磨き粉や洗口液なども活用して、徹底したセルフケアに努めましょう。
◎ていねいなブラッシング
歯周病の原因となるのは、歯と歯の間に付着した歯垢や歯石です。これらを毎日きちんと取り除けるよう、ていねいなブラッシングを心がけましょう。歯周病や口臭予防の効果が期待できる歯磨き粉を使用するのも良いでしょう。ちなみに、歯石はブラッシングで落とすことができませんので、歯科医院を受診してください。
◎歯周ポケット内のお掃除
歯周ポケット内には、食べかすなどがたまりやすくなっていますので、意識してブラッシングしましょう。もうすでに歯周病にかかっていて、ポケットが深くなっている場合は、清掃器具を到達させることが難しいです。そのため、まずは歯医者さんで歯周病の症状を改善する必要があります。
◎フロスの活用
歯と歯の間の汚れは、フロスを使って取り除きます。とくに、歯周病によって歯ぐきが下がり、食べ物が詰まりやすくなっている場合は、フロスによる清掃が有効です。
◎被せ物やブリッジのブラッシングは念入りに
被せ物やブリッジのような補綴物がお口の中に入っている場合は、天然歯以上にしっかりと磨く必要があります。それぞれの補綴物によって、汚れがたまりやすい場所が異なりますので、その特徴を理解した上でセルフケアを実行しましょう。
◎洗口液の活用
洗口液で、歯周病菌を除去することは難しいですが、一時的に繁殖を抑えることは可能です。忙しくて歯磨きできない時などに活用したり、普段のオーラルケアを充実させたりする上で有用です。
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2017/12/01医院情報